エシカル消費で実現する肌と地球に優しい日焼け止め選び

近年、環境への配慮が進む中、日焼け止めの選び方も変わりつつあります。単に肌を紫外線から守るだけでなく、海洋生物や環境への影響も考慮した製品選びが注目されています。Ethical&SEA(エシカルシー)は、エシカルでサステナブルな商品を取り揃えるセレクトショップとして、環境と人の健康を考えた製品を提供しています。今回は、気候変動が進む現代において日焼け止めがもたらす環境への影響と、肌と地球に優しい日焼け止めの選び方についてご紹介します。
日焼け止めと環境問題の関係性
日焼け止めは私たちの肌を紫外線から守る重要なアイテムですが、一部の成分が海洋環境に深刻な影響を与えていることをご存知でしょうか。特に、オキシベンゾンやオクチノキサートなどの化学的紫外線吸収剤は、サンゴ礁の白化現象を引き起こす原因の一つとして指摘されています。
海に入った際に皮膚から流れ出た日焼け止めの成分が、サンゴ礁の健康を損なうとされています。サンゴ礁は海洋生態系の基盤となる存在で、魚やその他の海洋生物に住処を提供し、海岸線を侵食から守る役割も果たしています。そのサンゴ礁が世界中で減少していることは、地球環境全体にとって大きな懸念事項となっています。
このような背景から、環境に配慮した日焼け止めを選ぶことは、単に個人の肌を守るだけでなく、地球環境を守ることにもつながっているのです。
エシカルな日焼け止めとは
エシカルな日焼け止めとは、以下のような特徴を持つ製品を指します:
1. リーフセーフ(サンゴに優しい)成分
サンゴに悪影響を与えることが知られている化学的紫外線吸収剤を含まない製品が増えています。特に、以下の成分を含まないものが望ましいとされています:
- オキシベンゾン
- オクチノキサート
- オクトクリレン
- パラベン類
- 4-メチルベンジリデンカンファー
代わりに、酸化亜鉛や酸化チタンなどの物理的紫外線散乱剤を使用した製品が推奨されています。これらは肌の上に膜を作り、紫外線を反射・散乱させることで肌を守ります。
2. 生分解性の高い製品
環境中に流れ出た後も自然に分解される成分を使用した製品は、海洋汚染の軽減に貢献します。生分解性の高い成分を使った日焼け止めは、自然環境への負荷を最小限に抑えることができます。
3. プラスチックフリーのパッケージ
日焼け止めを選ぶ際は、内容物だけでなくパッケージにも注目する必要があります。プラスチックフリーや再生可能な素材を使ったパッケージの製品を選ぶことで、プラスチック汚染の軽減に貢献できます。紙パッケージやガラス容器、あるいはリサイクル可能な素材を使用した製品が増えています。
4. 動物実験を行っていない(クルエルティフリー)
動物福祉の観点からも、動物実験を行っていないブランドの製品を選ぶことが重要です。多くのエシカルブランドは、動物実験を行わず、また動物由来成分を使用しない(ヴィーガン)製品を展開しています。
肌に優しい日焼け止めの選び方
環境に配慮しつつも、もちろん肌への優しさも重要なポイントです。肌に優しい日焼け止めを選ぶためのポイントをご紹介します。
1. 肌への刺激が少ない成分
敏感肌の方や赤ちゃんの肌にも使えるよう、以下のような特徴を持つ製品が望ましいでしょう:
- 香料フリー
- アルコールフリー
- 鉱物油フリー
- 合成着色料フリー
特に酸化亜鉛や酸化チタンを使用した物理的日焼け止めは、化学的日焼け止めに比べて肌への刺激が少ないとされています。
2. 保湿成分配合
日焼け止めは毎日使うものですから、肌の乾燥を防ぎ、うるおいを与える保湿成分が配合されているものを選ぶと良いでしょう。アロエベラ、シアバター、ヒアルロン酸、セラミドなどの保湿成分が配合された製品は、紫外線から守りながら肌をすこやかに保つことができます。
3. ブロードスペクトラム(UVA・UVB両方に対応)
紫外線には主にUVA(長波長紫外線)とUVB(中波長紫外線)があります。UVAは肌の奥深くまで届いて肌の老化を促進し、UVBは主に肌の表面に作用して日焼けの原因となります。肌を守るためには、UVA・UVB両方に対応したブロードスペクトラムの日焼け止めを選ぶことが重要です。
4. 肌質や使用シーンに合わせたタイプ選び
日焼け止めには様々なタイプがあります:
- クリームタイプ:乾燥肌の方や保湿重視の方に
- ジェルタイプ:脂性肌の方や軽い使用感を求める方に
- ミルクタイプ:広範囲に塗りやすく、体用に
- スティックタイプ:携帯に便利で部分用に
自分の肌質や使用シーンに合わせて最適なタイプを選びましょう。
地球と肌に優しい日焼け止めの正しい使い方
せっかく選んだエシカルな日焼け止めも、正しく使わなければその効果を十分に発揮できません。以下のポイントを押さえて、効果的に使いましょう。
1. 適切な量を使用する
日焼け止めは少量では十分な効果を発揮できません。一般的に顔には500円玉大、腕や脚などの広い部位には1〜2テーブルスプーン程度が目安とされています。SPF値やPA値は適切な量を塗布した場合の効果を示しているため、少なすぎると表示通りの効果が得られないことがあります。
2. こまめな塗り直し
日焼け止めは時間の経過や汗、水などによって効果が薄れていきます。特に海やプールで泳いだ後、大量の汗をかいた後、タオルで肌を拭いた後などには塗り直すことが重要です。一般的には2〜3時間おきの塗り直しが推奨されています。
3. 日焼け止め以外の紫外線対策も併用
日焼け止めだけに頼らず、帽子や日傘、サングラス、UVカット機能のある衣類などを併用することで、より効果的に紫外線から肌を守ることができます。また、特に紫外線の強い10時から14時頃は、できるだけ日陰に入るなどの工夫も大切です。
4. 洗顔料でしっかり落とす
日焼け止めは通常の洗顔料では落としきれないことがあります。特に耐水性の高い製品や、肌への密着度が高い物理的日焼け止めは、クレンジング剤でしっかり落とすことが大切です。ただし、エシカルな選択としては、マイクロプラスチックビーズを含まないクレンジング剤を選ぶようにしましょう。
季節別・シーン別の日焼け止め選び方
日焼け止めは一年中使うものですが、季節やシーンによって最適な選び方が変わります。
春夏の日焼け止め選び
紫外線が強まる春から夏にかけては、SPF30以上、PA+++以上の高い紫外線防止効果を持つ製品がおすすめです。特に海やプール、アウトドア活動などでは、耐水性(ウォータープルーフ)の製品を選ぶと良いでしょう。ただし、耐水性の製品は肌への負担が大きくなることもあるため、使用後はしっかりとクレンジングすることが大切です。
秋冬の日焼け止め選び
紫外線が弱まる秋冬でも、UVAは季節を問わず地表に届いています。SPF15〜25、PA++程度の製品を選び、保湿効果の高いタイプを使うことで、乾燥しがちな季節でも肌を守りながらうるおいを保つことができます。
日常使い用の日焼け止め
毎日のお出かけや通勤・通学などの日常シーンでは、化粧下地としても使える軽い付け心地の製品が便利です。べたつきが少なく、メイクの上からも塗り直しができるスプレータイプやパウダータイプの製品もおすすめです。
スポーツ・アウトドア用の日焼け止め
激しい運動や長時間の屋外活動では、汗や水に強い耐水性の高い製品が必要です。同時に、汗をかいても目に入って刺激とならないよう、目元に優しい製品を選ぶことも重要です。また、塗り直しがしやすいスティックタイプやスプレータイプの製品を携帯すると便利でしょう。
エシカルな日焼け止めのブランド選びのポイント
エシカルな日焼け止めを選ぶ際には、以下のような点に注目するとより良い選択ができます。
1. 第三者認証マークをチェック
信頼できる第三者機関による認証を受けた製品を選ぶことで、より確かなエシカル性を担保することができます。以下のような認証マークをチェックしてみましょう:
- オーガニック認証(COSMOS、EcoCERT、USDAオーガニックなど)
- リーフセーフ認証
- クルエルティフリー認証
- ヴィーガン認証
2. ブランドの理念と取り組み
製品だけでなく、ブランド自体がどのような理念を持ち、環境や社会に対してどのような取り組みを行っているかも重要なポイントです。公式サイトやSNSなどで情報を確認し、自分の価値観に合ったブランドを選ぶことで、より満足度の高い購入ができるでしょう。
3. 透明性の高さ
成分の由来や製造工程、環境への影響などについて、詳細かつ透明性の高い情報開示を行っているブランドは信頼性が高いと言えます。また、自社製品の環境影響を定期的に評価し、改善に努めているブランドも注目に値します。
4. 地域社会への貢献
原材料の調達先である地域社会の発展に貢献しているブランドも増えています。フェアトレード認証を受けた原料を使用していたり、売上の一部を環境保護団体や社会貢献活動に寄付しているブランドを選ぶことで、購入を通じた社会貢献が可能になります。
日焼け止めの環境への影響を減らすための取り組み
個人としてできる取り組みもあります。以下のような点に気を付けることで、日焼け止めの使用による環境負荷を減らすことができます。
1. 必要な時に必要な量だけ使う
屋内で過ごす時間が長い日や、紫外線の弱い早朝・夕方などは、必要に応じて日焼け止めの使用量を調整したり、使用部位を限定したりすることで、環境への負荷を減らすことができます。
2. 物理的・衣類による日焼け対策を優先する
可能な限り、帽子、長袖、日傘などの物理的・衣類による紫外線対策を優先し、日焼け止めの使用を補助的なものにすることで、環境への影響を最小限に抑えることができます。
3. リサイクル・リフィルの活用
使い終わった日焼け止めの容器をリサイクルに出したり、リフィル(詰め替え)タイプの製品を選んだりすることで、廃棄物を減らすことができます。一部のブランドでは、空容器の回収プログラムを実施しているところもあります。
4. 環境保護活動への参加
ビーチクリーンなどの環境保護活動に参加することで、日焼け止めなどの化学物質による環境汚染の実態を知り、より良い選択をするための知識を得ることができます。また、環境保護団体への寄付や支援も重要な取り組みの一つです。
肌と地球に優しい日焼け止め選びで実現するエシカル消費
日焼け止めは肌の健康を守るために欠かせないアイテムですが、環境への影響も無視できません。エシカルな日焼け止めを選ぶことで、肌を守りながら地球環境にも配慮した消費行動を実践することができます。
リーフセーフ成分を使用し、生分解性が高く、プラスチックフリーのパッケージを採用した製品を選ぶことで、海洋生態系への負荷を減らすことができます。同時に、肌に優しい成分で作られた製品を選ぶことで、自分自身の肌の健康も守ることができるのです。
Ethical&SEA(エシカルシー)では、こうした肌と地球に優しい日焼け止めを多数取り揃えています。環境に配慮したブランドの製品を提供することで、お客様のエシカルな選択をサポートしています。
気候変動が進む現代において、日々の消費行動が地球環境に与える影響はますます大きくなっています。日焼け止め一つを選ぶ際にも、その背景にある環境問題や社会問題に目を向け、より良い選択をすることが大切です。
Ethical&SEA(エシカルシー)の店舗やオンラインショップでは、スタッフが一人ひとりのお客様に合った製品選びをお手伝いしています。肌質や使用シーン、価値観に合わせた最適な日焼け止めを見つけるお手伝いをいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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