環境と肌に優しい日焼け止めの選び方〜海を守る日焼け対策のすすめ〜

2025.05.01
環境と肌に優しい日焼け止めの選び方〜海を守る日焼け対策のすすめ〜

夏の日差しが強くなるこの季節、多くの人が日焼け止めを手に取る機会が増えてきます。しかし、私たちの肌を守るはずの日焼け止めが、実は海の生態系に大きな影響を与えていることをご存知でしょうか。Ethical&SEA(エシカルシー)では、人にも地球にも優しい選択肢を提案し、エシカルな消費のあり方を広めています。今回は、環境に配慮した日焼け止めの選び方について詳しくご紹介します。

従来の日焼け止めが環境に与える影響

一般的な日焼け止めには、オキシベンゾン(ベンゾフェノン-3)やオクチノキサートといった化学的紫外線吸収剤が含まれていることが多く、これらの成分がサンゴ礁に深刻な被害を与えていることが科学的な研究で明らかになっています。

特に問題視されているのは「サンゴの白化現象」です。サンゴの白化とは、サンゴが体内に共生している褐虫藻を失い、白く変色してしまう現象のことです。褐虫藻はサンゴに栄養を供給する大切な存在であるため、白化が進むとサンゴは栄養不足により最終的に死滅してしまいます。

研究によると、オキシベンゾンなどの化学成分は以下のような影響をサンゴに与えることが分かっています:

  1. サンゴのDNA損傷を引き起こす
  2. サンゴの成長を阻害する
  3. サンゴの幼生の発達を妨げる
  4. サンゴの白化を促進する

実際、ハワイやパラオなどの国や地域では、サンゴ礁保護のために特定の成分を含む日焼け止めの使用や販売を禁止する法律を制定しています。これらの規制は、環境保護と観光産業の両立を図るための重要な取り組みとなっています。

サンゴに優しい日焼け止めとは

サンゴに優しい日焼け止め(リーフセーフ日焼け止め)とは、サンゴ礁に有害とされる成分を含まない製品のことです。具体的には、以下の成分を避けた日焼け止めを選ぶことが重要です:

  • オキシベンゾン(ベンゾフェノン-3)
  • オクチノキサート
  • ブチルパラベン
  • 4-メチルベンジリデンカンファー
  • その他の化学的紫外線吸収剤

代わりに、物理的な紫外線散乱剤である酸化亜鉛や酸化チタンを使用した製品が推奨されています。これらの成分は肌の上に膜を形成し、紫外線を物理的に反射・散乱させる働きがあります。

環境に配慮した日焼け止めは、以下のような特徴を持っています:

  1. ミネラル成分(酸化亜鉛、酸化チタン)を使用
  2. 生分解性の高い成分を使用
  3. 水中でも流れにくい処方
  4. オーガニック認証を受けた成分を使用
  5. 環境保護団体の認証を受けている

ただし、酸化亜鉛や酸化チタンを使用した日焼け止めは、肌に白い膜を残すことがあるため、見た目を気にする方には抵抗があるかもしれません。しかし、最近の製品は技術の進歩により、白浮きしにくい処方のものも増えています。

肌と環境に優しい日焼け止めの選び方

環境だけでなく、自分の肌にも優しい日焼け止めを選ぶためのポイントをご紹介します。

1. 成分表をしっかりチェック

日焼け止めを選ぶ際には、まず成分表を確認しましょう。避けたい成分としては、以下のようなものがあります:

  • オキシベンゾン(ベンゾフェノン-3)
  • オクチノキサート
  • パラベン類
  • フタル酸エステル
  • 合成香料
  • 合成着色料

代わりに、以下のような成分が配合されているものを選ぶと良いでしょう:

  • 酸化亜鉛(ノンナノ)
  • 酸化チタン(ノンナノ)
  • シア脂
  • ココナッツオイル
  • ホホバオイル
  • アロエベラ

「ノンナノ」と記載があるものは、ナノ粒子化されていない酸化亜鉛や酸化チタンを使用しており、体内への吸収リスクが低いとされています。

2. SPF値と紫外線防止効果

適切なSPF値の製品を選ぶことも重要です。SPFは主にUVB(日焼けの原因となる紫外線)からの保護効果を表しています。日常使いであればSPF30〜50程度、海やプールなど長時間屋外で過ごす場合はSPF50+のものを選ぶと良いでしょう。

また、UVA(肌の老化や深部ダメージの原因となる紫外線)からの保護効果を表すPA値も確認しましょう。PA+++以上のものが推奨されます。

3. 肌質に合わせた選択

肌質によって合う日焼け止めは異なります。敏感肌の方は、無香料・無着色料の製品や、「敏感肌用」と記載のある製品を選びましょう。乾燥肌の方は保湿成分が配合されているものを、脂性肌の方はさっぱりとした使用感のものを選ぶと良いでしょう。

また、アレルギーのある方は、事前にパッチテストを行うことをおすすめします。

4. 認証マークの確認

環境に配慮した日焼け止めを選ぶ際は、以下のような認証マークがあるかどうかも確認ポイントです:

  • オーガニック認証(エコサート、USDAオーガニックなど)
  • リーフセーフ認証
  • 動物実験不実施(クルエルティフリー)
  • ヴィーガン認証

これらの認証マークがあれば、環境や動物への配慮がなされている製品と判断できます。

5. パッケージにも注目

製品の中身だけでなく、パッケージにも環境への配慮がなされているかをチェックしましょう。プラスチックフリーのパッケージや、リサイクル可能な材料を使用したもの、詰め替え可能な設計になっているものなどが環境に優しい選択肢となります。

効果的な日焼け止めの使い方

どんなに良い日焼け止めを選んでも、正しく使用しなければ十分な効果は得られません。以下のポイントを押さえて、効果的に日焼け止めを使いましょう。

適切な量を使用する

日焼け止めは、少なすぎると十分な効果が得られません。顔には5円玉大(約1/4ティースプーン)、腕や脚などの露出部分には適量を塗るようにしましょう。SPF値は適量を塗ることを前提に設定されているため、少量しか塗らないと表示されている効果が得られないことになります。

こまめに塗り直す

汗や水で流れたり、時間の経過とともに効果が薄れるため、2〜3時間おきに塗り直すことが推奨されています。特に、水泳や激しい運動の後は必ず塗り直しましょう。

日焼け止め以外の対策も併用する

日焼け止めだけに頼らず、以下のような対策も併用することで、より効果的に紫外線から肌を守ることができます:

  • 帽子や日傘の使用
  • UVカット機能のある衣服の着用
  • 日陰を利用する
  • 紫外線の強い時間帯(10時〜14時頃)の外出を控える

環境に配慮した日焼け止めの正しい落とし方

環境に配慮した日焼け止めを使っても、その落とし方が適切でなければ、環境への負荷は減りません。以下のポイントを意識して、正しく日焼け止めを落としましょう。

海やプールに入る前に落とす

可能であれば、海やプールに入る前にシャワーを浴びて日焼け止めを落としましょう。これにより、水中への成分の流出を最小限に抑えることができます。

クレンジングで丁寧に落とす

特に物理的日焼け止め(酸化亜鉛や酸化チタン配合)は、通常の洗顔料だけでは落としきれないことがあります。オイルクレンジングや、ミルククレンジングなどを使用して丁寧に落としましょう。その際も、環境に優しい成分のクレンジング剤を選ぶことが理想的です。

洗顔後の保湿ケアを忘れずに

日焼け止めを落としたあとは、肌が乾燥しやすい状態になっています。化粧水や乳液などで十分な保湿ケアを行いましょう。特に日焼けをしてしまった場合は、アロエベラなどの鎮静効果のある成分を含んだ製品でケアすることをおすすめします。

日常生活での環境に配慮した日焼け対策

日焼け止めの選択以外にも、日常生活で実践できる環境に配慮した日焼け対策をご紹介します。

UVカット機能のある衣類を活用する

最近では、UVカット機能を持つ衣類が多く販売されています。これらの衣類は、肌に直接日焼け止めを塗る量を減らすことができるため、環境への負荷軽減にもつながります。特に、腕や背中など広い面積の部分は、衣類でカバーするのが効率的です。

自然の日陰を利用する

木陰やパラソルの下など、自然の日陰を積極的に利用することも大切です。特に紫外線の強い時間帯(10時〜14時頃)は、できるだけ日陰で過ごすようにしましょう。

食事から紫外線対策を行う

抗酸化物質を豊富に含む食品を摂取することで、体の内側から紫外線ダメージに対抗することもできます。トマト(リコピン)、ニンジン(βカロテン)、ブルーベリー(アントシアニン)、緑茶(カテキン)などを積極的に摂り入れましょう。

環境保護活動への参加

日焼け止めの選択は、環境保護の第一歩に過ぎません。より積極的に環境保護に貢献するために、以下のような活動に参加してみてはいかがでしょうか。

ビーチクリーン活動

地域で行われているビーチクリーン活動に参加することで、直接海洋環境の保全に貢献することができます。また、こうした活動を通じて、プラスチックごみの実態を目の当たりにすることで、環境問題への意識がさらに高まるでしょう。

環境保護団体への寄付やサポート

サンゴ礁保護や海洋環境保全に取り組む団体への寄付やサポートも、間接的ではありますが重要な貢献方法です。こうした団体は、研究や政策提言、教育活動などを通じて環境保護に取り組んでいます。

環境に関する知識の共有

自分が学んだ環境問題や対策について、家族や友人、SNSなどを通じて広めることも大切です。一人ひとりの小さな変化が、大きな環境保護の波につながります。

まとめ:エシカルな選択が未来を守る

日焼け止めの選択一つとっても、環境への影響は決して小さくありません。特に海洋環境とサンゴ礁の保護は、地球の生態系を守るために重要な課題です。

環境に配慮した日焼け止めを選ぶことは、自分の肌を守りながら、同時に海の生き物たちの生態系も守ることにつながります。さらに、環境に優しい製品を選ぶことで、そうした製品を開発・販売するメーカーを支援することにもなり、市場全体が環境に配慮した方向へと変わっていく可能性を高めます。

Ethical&SEA(エシカルシー)では、環境と人に優しい日焼け止めをはじめとした様々なエシカルな商品を取り揃えています。一人ひとりの消費者の選択が、より良い未来への第一歩となります。ぜひ店舗やオンラインショップにお立ち寄りいただき、あなたに合ったエシカルな日焼け止めを見つけてください。

あなたの選択が、美しい海と、その中で生きる生き物たちを守ります。今日から、エシカルな日焼け対策を始めてみませんか?