海洋プラスチックの現状、野生生物への影響、未来へのリスクをわかりやすく解説

2025.09.28

海洋プラスチック問題は、私たちの日常生活と密接に関わる環境課題として、世界中で注目を集めています。Ethical&SEA(エシカルシー)は、エシカルなライフスタイルを提案するセレクトショップとして、海洋環境に配慮したアイテムを通じて、この問題の解決に向けた取り組みを続けています。プラスチックフリーやオーガニック成分にこだわった商品を選ぶことで、私たち一人ひとりが海洋環境の保護に貢献できるのです。

本記事では、海洋プラスチック問題の実態から野生生物への深刻な影響、そして私たちの未来にもたらすリスクまでを詳しく解説します。また、日常生活でできる具体的な対策についても紹介していきます。

海洋プラスチック問題とは何か

海洋プラスチック問題とは、海洋に大量のプラスチック廃棄物が蓄積され、海洋生態系や人間の生活に深刻な影響を与えている環境問題を指します。

プラスチックの海洋への流入経路

プラスチックが海洋に流入する主な経路は複数あります。まず、陸上から河川を通じて海へ運ばれるケースが最も多く、全体の約80%を占めています。街中でのポイ捨てや不適切な廃棄物処理により、プラスチックゴミが雨水と共に下水道や河川に流れ込み、最終的に海洋へと到達するのです。

また、海上での直接的な投棄も深刻な問題となっています。漁業活動で使用される漁網や釣り具、船舶からの廃棄物なども海洋プラスチックの重要な発生源となっています。さらに、プラスチック製品の製造過程で発生する微細なプラスチック粒子(プリプロダクションペレット)も、工場からの流出により海洋汚染の原因となっています。

海洋プラスチックの種類と分布

海洋に存在するプラスチックは、その大きさによって分類されます。5mm以上のものはマクロプラスチック、5mm未満のものはマイクロプラスチックと呼ばれています。マクロプラスチックには、ペットボトル、レジ袋、食品容器、漁具などがあり、これらは海岸線や海洋表面で目視できる大きさのものです。

一方、マイクロプラスチックは、マクロプラスチックが紫外線や波の作用により細分化されて生成されるものと、最初から微細な状態で環境中に放出されるものがあります。化粧品に含まれるマイクロビーズや、合成繊維の洗濯時に発生する繊維くずなどがその例です。

海洋プラスチックの分布は均一ではなく、海流の影響により特定の海域に集積する傾向があります。太平洋、大西洋、インド洋にそれぞれ形成される「ゴミベルト」と呼ばれる海域では、プラスチック廃棄物の密度が特に高くなっています。

海洋プラスチック問題の現状データ

国連環境計画(UNEP)の報告によると、毎年約800万トンのプラスチックが海洋に流入していると推定されています¹。これは1分間にトラック1台分のプラスチックゴミが海洋に投棄されている計算になります。

エレン・マッカーサー財団の調査では、現在の趨勢が続けば、2050年には海洋中のプラスチックの重量が魚の重量を上回ると予測されています²。この衝撃的な予測は、海洋プラスチック問題の深刻さを如実に物語っています。

また、世界経済フォーラムの報告書では、これまでに生産されたプラスチックの約91%がリサイクルされていないことが明らかになっています³。この事実は、プラスチックの生産から廃棄までのライフサイクル全体を見直す必要性を示しています。

野生生物への深刻な影響

海洋プラスチック汚染は、多様な海洋生物に深刻な影響を与えています。その影響は直接的なものから間接的なものまで多岐にわたり、海洋生態系全体のバランスを脅かしています。

海洋生物への直接的影響

最も目に見える影響は、海洋生物による プラスチック片の誤食です。ウミガメがレジ袋をクラゲと間違えて摂食したり、鳥類がプラスチック片を魚と誤認して雛に与えたりするケースが世界各地で報告されています。摂食されたプラスチックは消化されることなく胃の中に蓄積し、満腹感を与えることで実際の食物摂取を阻害し、栄養失調や餓死の原因となります。

また、漁網やロープなどの廃棄漁具による海洋生物の絡まり(エンタングルメント)も深刻な問題です。クジラやイルカ、アザラシなどの海洋哺乳類が廃棄された漁網に絡まり、動きを制限されることで溺死したり、傷口から感染症を起こしたりするケースが頻繁に発生しています。

マイクロプラスチックの生物濃縮

特に懸念されるのは、マイクロプラスチックの生物濃縮です。マイクロプラスチックは小さすぎて除去が困難であり、食物連鎖を通じて上位の捕食者に蓄積されていきます。プランクトンが摂取したマイクロプラスチックは小魚に、小魚から大型魚へ、そして最終的に人間の食卓にまで到達する可能性があります。

研究により、マイクロプラスチックには製造過程で添加された化学物質や、海水中から吸着した有害物質が含まれていることが明らかになっています。これらの化学物質が生物体内で蓄積されることにより、内分泌系の撹乱や免疫機能の低下などの健康影響が懸念されています。

海洋生態系への影響

プラスチック汚染は個体レベルの影響にとどまらず、海洋生態系全体に波及効果をもたらしています。サンゴ礁では、プラスチック片がサンゴに付着することで病気の発生率が大幅に上昇することが報告されています。健康なサンゴ礁の病気発生率が4%程度であるのに対し、プラスチック片が付着したサンゴでは89%にまで上昇するという研究結果もあります。

また、海底に堆積したプラスチックは、底生生物の生息環境を変化させ、生物多様性の減少を引き起こしています。プラスチック片が海底を覆うことで、底生生物の餌となる有機物の堆積が阻害され、食物連鎖の基盤が脅かされているのです。

具体的な被害事例

世界各地から報告される具体的な被害事例は、この問題の深刻さを物語っています。太平洋のミッドウェー環礁では、アホウドリの雛の胃の中から大量のプラスチック片が発見されており、その重量は体重の15%にも及ぶケースがあります。

また、地中海では、マッコウクジラの胃の中から22kgものプラスチック廃棄物が発見された事例もあります。これらの事例は氷山の一角に過ぎず、実際には数え切れないほどの海洋生物がプラスチック汚染の犠牲になっていると考えられています。

人間社会と未来世代へのリスク

海洋プラスチック問題は、野生生物だけでなく人間社会にも深刻なリスクをもたらしています。その影響は現在進行形で拡大しており、将来世代により大きな負担を残す可能性があります。

食の安全への脅威

海洋プラスチック汚染は、私たちの食の安全に直接的な影響を与えています。市場で販売されている魚介類からマイクロプラスチックが検出される事例が世界各地で報告されており、私たちは知らず知らずのうちにプラスチック片を摂取している可能性があります。

世界保健機関(WHO)の報告では、飲料水からもマイクロプラスチックが検出されており、ボトル入り飲料水では水道水の約2倍の濃度でマイクロプラスチックが含まれていることが明らかになっています。また、食塩や蜂蜜などの食品からもマイクロプラスチックが検出されており、食品を通じたプラスチック摂取は避けられない状況となっています。

経済への影響

海洋プラスチック汚染は、様々な産業に経済的な損失をもたらしています。観光業では、プラスチックゴミで汚染された海岸や海域への観光客数の減少により、大きな経済損失が発生しています。特に美しい海岸線や透明度の高い海を売りにしているリゾート地では、その影響は深刻です。

漁業においても、プラスチック汚染による魚類の減少や、漁具へのプラスチック片の絡まりによる操業効率の低下などが問題となっています。また、海洋に流出したプラスチックの回収や処理にかかる費用も膨大であり、これらのコストは最終的に社会全体で負担することになります。

国連環境計画の試算によると、海洋プラスチック汚染による年間の経済損失は約130億ドルに達するとされています。この数字は氷山の一角であり、実際の損失はさらに大きい可能性があります。

気候変動への影響

プラスチックの製造から廃棄までの過程で大量の温室効果ガスが排出されており、気候変動の加速に寄与しています。また、海洋に蓄積されたプラスチックは海水の熱吸収特性を変化させ、海洋の熱循環に影響を与える可能性も指摘されています。

さらに、プラスチック片に付着する藻類などの微生物群集は、通常とは異なる生態系を形成し、海洋の炭素循環に影響を与える可能性があります。これらの複合的な影響により、気候変動がさらに加速される恐れがあるのです。

将来世代への負担

現在の海洋プラスチック汚染は、将来世代により大きな負担を残すことになります。プラスチックは自然分解に数百年から数千年を要するため、現在海洋に存在するプラスチックは今後も長期間にわたって環境中に残存し続けます。

また、マイクロプラスチックやナノプラスチックの長期的な健康影響については、まだ十分に解明されていない部分が多く、将来的により深刻な健康問題が明らかになる可能性もあります。これらの不確実性は、将来世代にとって大きなリスク要因となっています。

解決に向けた取り組みと私たちにできること

海洋プラスチック問題の解決には、政府、企業、そして私たち一人ひとりの行動が重要です。この問題に対処するための様々な取り組みが世界各地で進められており、個人レベルでも多くの対策を実践することができます。

国際的な取り組み

国際社会では、海洋プラスチック汚染対策に向けた様々な枠組みが構築されています。国連では、2030年までに海洋汚染を大幅に削減することを目標とするSDG14が設定されており、各国が協力して取り組むことが求められています。

また、2022年には国連環境総会において、プラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際協定の策定に向けた決議が採択されました⁷。この協定は、プラスチックのライフサイクル全体を対象とした包括的なアプローチを取ることが期待されています。

G20諸国でも海洋プラスチックゴミ対策実行枠組みが採択され、各国が自主的な行動計画を策定して取り組みを進めています。これらの国際的な枠組みにより、世界規模での協調した対策が推進されています。

企業の取り組み

企業レベルでも、プラスチック使用量の削減や代替材料の開発など、様々な取り組みが進められています。多くの企業がプラスチック包装の削減や、リサイクル可能な材料への転換を進めており、サーキュラーエコノミーの概念に基づいた事業モデルの構築が進んでいます。

また、化粧品業界では、マイクロビーズの使用を禁止する動きが広がっており、天然由来の代替成分への転換が進められています。このような業界全体での取り組みにより、海洋への新たなプラスチック流入の削減が期待されています。

私たちができる具体的なアクション

私たち一人ひとりができる対策は多岐にわたります。まず、日常生活でのプラスチック使用量を減らすことから始めることができます。マイバッグやマイボトルの使用、使い捨てプラスチック製品の使用を避けることなど、小さな行動の積み重ねが大きな変化につながります。

商品選択の際には、パッケージに配慮した製品を選ぶことも重要です。過剰な包装を避け、リサイクル可能な材料を使用した製品や、プラスチックフリーの製品を積極的に選択することで、需要側からの変化を促すことができます。

また、適切な廃棄物処理も重要な対策の一つです。プラスチック製品は正しく分別してリサイクルに回し、海洋への流出を防ぐことが大切です。地域のビーチクリーン活動への参加なども、直接的な環境保護活動として効果的です。

普段のライフスタイルの見直し

海洋プラスチック問題の解決には、私たちのライフスタイル全体を見直すことが必要です。消費パターンを変え、本当に必要なもの以外は購入しないという意識的な消費行動も重要な対策となります。

化粧品やパーソナルケア製品を選ぶ際には、マイクロプラスチックを含まない製品や、プラスチックフリーの包装を使用した製品を選択することで、直接的に海洋プラスチック汚染の削減に貢献することができます。天然由来の成分を使用し、肌にうるおいを与えながら環境にも配慮した製品を選ぶことで、美容と環境保護の両立が可能です。

美しい海を未来に残すために

海洋プラスチック問題は、私たちの生活と密接に関わる深刻な環境課題です。野生生物への影響から人間社会へのリスクまで、その影響は多岐にわたり、解決には緊急性が求められています。

しかし、この問題は決して解決不可能ではありません。国際的な取り組み、企業の努力、そして私たち一人ひとりの意識的な行動により、確実に改善することができます。特に、日常生活での小さな選択の積み重ねが、大きな変化を生み出す力となります。

美しい海を未来世代に残すために、私たちには今すぐ行動を起こす責任があります。プラスチックフリーの製品を選び、肌をすこやかに保ちながら環境にも配慮したライフスタイルを実践することで、持続可能な未来の実現に貢献することができるのです。

Ethical&SEA(エシカルシー)では、海洋環境に配慮したエシカルな商品を数多く取り揃えています。プラスチックフリーの化粧品や、オーガニック成分にこだわったスキンケア製品など、肌にうるおいを与えながら地球環境の保護にも配慮したアイテムをご提案しています。美しい海を守りながら、自分自身も美しくケアできる製品を、ぜひ店舗やオンラインストアでご覧ください。