歯磨き粉のつぶつぶはプラスチック?海に優しいオーラルケアの選び方
毎朝、歯ブラシに歯磨き粉をのせて口に運ぶ。そんな何気ない日常のルーティンが、実は海の環境に深く関わっているかもしれない、と知ったらどう感じますか?
エシカルなアイテムを取りそろえるセレクトショップ、Ethical&SEA(エシカルシー)では、「自分にも、まわりにも、地球にも優しい」という視点でアイテムをセレクトしています。オーラルケアも例外ではありません。毎日使うものだからこそ、その成分や素材が何でできているか、使い終わった後どこへ行くのか、一度立ち止まって考えてみるきっかけになれば、と思います。
この記事では、歯磨き粉に含まれることがあるマイクロプラスチック(マイクロビーズ)の問題と、海を汚さないオーシャンフレンドリーなオーラルケアの選び方についてご紹介します。
歯磨き粉の「つぶつぶ」の正体、知っていますか?
歯磨き粉の中に感じるざらつきやつぶつぶ感。「しっかり磨けている感じがする」「汚れが落ちそう」という印象を持つ方も多いかもしれませんが、このつぶつぶの正体が何かを考えたことはあるでしょうか。
歯磨き粉に配合されている研磨剤・スクラブ剤の一部には、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などの合成樹脂素材から作られた、直径5mm以下の微小なプラスチック粒子、いわゆる「マイクロビーズ」が使われてきました。マイクロビーズは製造が安価で粒径のコントロールがしやすいため、歯磨き粉のほかにも洗顔料やボディスクラブといったスキンケア製品にも広く使われてきた経緯があります。
洗い流された後のマイクロビーズは非常に小さいため、一般的な下水処理設備ではすべてを除去しきれず、川や海へと流れ出てしまいます。その後、海の中で分解されることなく漂い続け、生態系に影響を与えることが世界的に問題視されるようになりました。
こうした背景から、欧米諸国では使い捨てプラスチックの規制が相次いで進んでいます。イギリスでは2018年にすでにリンスオフ化粧品へのマイクロビーズ使用を禁止(参照:UK Government – Microbead ban)しており、EU全体でも規制の枠組みが進んでいます。日本でも意識は高まりつつあるものの、製品の選択は消費者自身の判断に委ねられている部分も大きいのが現状です。
毎日の歯磨きで流れていく「つぶつぶ」が、知らないうちに海へ届いているかもしれない。そう考えると、オーラルケアの選び方も少し変わってくるのではないでしょうか。
マイクロプラスチックが海にもたらすもの
「マイクロプラスチック」という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。定義としては、環境中に存在する直径5mm以下のプラスチック粒子のことを指し、マイクロビーズのような製品由来のものと、大きなプラスチックごみが紫外線や波などで細かく砕かれて生まれるものの2種類があります(参照:環境省 海洋プラスチックごみ対策)。
海に流れ込んだマイクロプラスチックは、魚介類や海鳥が誤食するだけでなく、化学物質を吸着しやすいという性質も持っています。食物連鎖を通じて、最終的には人間の食卓にまで影響が及ぶ可能性が指摘されており、研究が世界中で進められています。
WWF(世界自然保護基金)の報告によると、私たちは毎週クレジットカード1枚分(約5グラム)相当のマイクロプラスチックを体内に取り込んでいる可能性があるとされています(参照:WWF – No Plastic in Nature)。飲料水や食品、空気中にまで広がっているとされる現状は、もはや「自分には関係ない話」とは言えない段階に来ているのかもしれません。
2050年には海の中のプラスチックごみの量が魚の量を超えるという試算もあり(参照:Ellen MacArthur Foundation – The New Plastics Economy)、毎日のオーラルケアのような小さな選択の積み重ねが、長い目で見れば大きな変化につながっていくと感じています。
海を汚さない「天然スクラブ」とは
では、マイクロプラスチックを使わずに、歯磨き粉に同様のスクラブ感を出すにはどうすればいいのでしょうか。そこで注目されているのが、自然由来の素材を使った「天然スクラブ」です。
天然スクラブ成分として代表的なものには、以下のようなものがあります。
シリカ(ケイ素) 天然の珪砂や植物由来のシリカを原料とした研磨剤です。歯垢を除去する作用が期待でき、オーラルケア製品にも広く採用されています。水や自然環境の中でマイクロプラスチックのように残留しないため、環境負荷が比較的低いとされています。
重曹(炭酸水素ナトリウム) 古くから家庭でも使われてきた天然由来の成分です。歯のやにや汚れへのアプローチに加え、口中を清潔に保つ用途でも知られています。水に溶けやすく、環境への残留も少ないのが特徴です。
活性炭・チャコール 木材や植物を炭化させた天然由来素材で、吸着力を持ちます。口中を浄化する目的でオーラルケアに用いられることがあります。
カオリン(カオリナイト) 天然のクレイ(粘土)素材です。細かい粒子が歯の表面にアプローチしながら、口の中を整えるものとして使われています。自然界に存在する鉱物由来のため、プラスチックのように環境中に残留しません。
これらの成分はいずれも地球上に自然に存在するものであり、洗い流された後に海洋環境で長期にわたって残留する心配が少ない点で、プラスチック系研磨剤と大きく異なります。
ただし、これらの成分が配合されているからといって、製品の効果・効能を断定できるものではありません。あくまで「どんな素材でできているか」「環境負荷の低い選択肢か」という観点での参考情報として捉えていただければと思います。
オーシャンフレンドリーなオーラルケアを選ぶ視点
「オーシャンフレンドリー」という言葉は、海の環境に配慮した製品やライフスタイルを表す言葉として広がりつつあります。オーラルケアの文脈では、主に以下の観点から選択を見直すことができます。
成分の視点:何が入っているかを確認する
製品のパッケージやウェブサイトに記載されている全成分表示を確認する習慣をつけましょう。「ポリエチレン(PE)」「ポリプロピレン(PP)」「ナイロン-12」などの表記がある場合は、マイクロプラスチック由来の成分が含まれている可能性があります。一方で、「シリカ」「重曹」「カオリン」「炭」などの表記があれば、天然由来成分のスクラブが使われていると判断できる場合があります。
成分を一つひとつ調べるのは最初は大変に感じるかもしれませんが、一度習慣になってしまえば、日常のお買い物の視点がぐっと広がります。
容器・パッケージの視点:使い終わった後を考える
内容物の成分だけでなく、容器もプラスチックフリーの観点で見直す動きが広がっています。アルミチューブ、ガラス瓶、紙素材のパッケージ、あるいは繰り返し使えるガラス容器に対応した詰め替えタイプなど、使い終わった後の廃棄を意識した設計の製品も増えています。
「中身だけじゃなく外側も」という視点が、よりトータルなオーシャンフレンドリーな選択につながります。
認証・基準の視点:第三者の目を借りる
「プラスチックフリー認証」や「ヴィーガン認証」「オーガニック認証」など、第三者機関による認証を取得している製品は、一定の基準を満たしていることの指標になります。もちろん認証がすべてではありませんが、選択に迷ったときの参考にはなります。
特にオーガニック系・ナチュラル系の認証は、成分の由来や製造過程に対する基準を含んでいる場合が多く、プラスチックフリーの観点でも重なるケースがあります。
日常習慣の視点:少しずつ、無理なく続ける
「エシカルな選択は難しそう」「値段が高そう」と感じる方もいるかもしれません。ですが、大切なのは完璧に取り組むことではなく、「今日の一本を変えてみる」という小さな一歩の積み重ねです。
すべての製品をいっぺんに見直す必要はありません。今使っているものがなくなったとき、次に選ぶ一本を少し立ち止まって考えてみる。その習慣が、気づけば自分の生活をじわじわと変えていきます。
Ethical&SEA(エシカルシー)で、意志ある選択を
Ethical&SEA(エシカルシー)は、「プラスチックフリー」「ヴィーガン」「オーガニック」をキーワードに、地球と自分に優しいアイテムをセレクトしたショップです。オーラルケアのカテゴリーにおいても、成分や容器・パッケージの素材にこだわったアイテムを取り揃えています。
日々の歯磨きというルーティンに、少しだけ「海のことを考えた選択」を加えてみること。それは大きな自己犠牲ではなく、むしろ「自分の毎日にも地球にも、気持ちよくあれる」という、ちょっと豊かな感覚を日常にもたらしてくれるものだと思っています。
近くにEthical&SEA(エシカルシー)の店舗がある方はぜひ足を運んでみてください。スタッフとの会話の中で、自分に合ったアイテムの選び方のヒントが見つかるはずです。店舗に行く機会がない方には、オンラインでもアイテムをご覧いただけます。
一人ひとりが一つの当たり前を変えていくこと。それが、本質的なエシカル消費につながり、未来への投資になる。Ethical&SEA(エシカルシー)は、そんな選択のきっかけとなる場所でありたいと考えています。





